\大切な人への贈り物は BECOS(べコス) で/
こんにちは Jin(@Jin_talk38)です。
突然ですが、私のブログを読んでくれているあなたに謝らないといけないことがあります。それは…
これまでフィラメントの湿気対策をぜんぜんしてませんでした。
3Dプリンターを始めて2年ほど経ちますが、購入したフィラメントは全て裸のままで山積みにしてました。
なぜこれまでちゃんと管理してこなかったかというと…
Voxelab Aquila が優秀すぎるからです。
※品切れの場合、次におすすめなのは「X2」です。
流石に今ではこの機種は古いので、現時点でのおすすめの機種はこちらの記事を参考にしてください。
Voxelab Aquila はプロの料理人のごとく私が雑に扱ったどんな素材がどんな状態でも、いつも美味しく仕上げてくれていたからこれまで無頓着でいられたんです。
それが最近、糸引きと表面のポツポツが目立つようになってきました。
さすがに俺でも腐った素材は料理できんわ。
という心の声が聞こえたので、防湿対策に腰を上げるという決断にいたりました。
今回は、これまで3Dプリンターに関する能書きをさんざんたれてきたくせに基本的なことができていない典型的な「おまいう」な私が懺悔の意味を込めて防湿ケースを作成します。
防湿ケースの自作について
防湿ケースを自作する前に、こんな声が聞こえてきます。
Web上に無料で公開されている3Dデータがあるんだから、
それ使った方が早くない?
確かにそうですね。しかし、
公開されている自作防湿ケースを色々みてみたんですが、残念ながら私のお眼鏡にかなうものはありませんでした。
お前偉そうだな。
すんません。
なぜ? それは、私がモノを作るときや選ぶときに以下の3つのことを心がけているからです。
フィラメントのみで組み立てられること(極力)
私が「Thingiverse」などの3Dデータ公開サイトで印刷するものを選ぶときに、似たようなモノがいくつかあった場合にはこれを基準に選びます。
今すぐ組み立てたいのにネジなどの金具を別途用意しなきゃいけないのは私にとって生殺しに等しいです。
以前にこの記事でスマホ用の三脚を使用したときに選んだものはフィラメントのみで作れるものでした。
(興味のある方は参考までにご覧ください。)
金具を使えば見た目もシンプルだし、簡単に頑丈にできるかもしれません。
しかし、それをせずにフィラメントのみで組み立てられる作品を見ると、このクリエイターは素材の可能性をとことん追求しているんだな〜と感じます。
使わせてもらう側の私はその度に、
本当にありがとう…!
という気持ちでいっぱいになります。
極限まで考えぬいてくれたクリエイターの心意気にグッとくるし、その努力に尊敬の念を禁じえないのです。
作りがシンプル
シンプルは正義です。
誰もがそうだと思うんですが、同じ機能を持ったものであればシンプルなものを選びますよね?
「シンプル=部品が少ない」ということになるので、印刷時間も少なくて済むし組み立ても簡単だからです。
しかし、クリエイターにとっては生み出したものがシンプルであっても、その答えを出すために色んなアイデアを練りに練って凝縮してるわけですよ。
そう思うと胸熱になりますよねぇ。
土台になる素材に傷をつけない(極力)
具体例をあげて説明すると、防湿ケースになる土台のケースになるべく穴をあけないなどです。
あけても気密性が変わらなければいいでしょ?
そうかもしれませんが、あけずに済むならそれが一番いいんです。必要最低限の加工が至高なんです。
どんなに考えてもそれしか方法がないのであれば、最終手段としてそれをすればいいのです。
なるべく土台を傷つけないように代替案を考えることは、モノづくりの良い訓練になっておすすめです。
このような足かせがモノづくりの限界に余裕を持たせてくれていると思っています。
そんだけ能書き垂れるんだから
さぞ立派なものを作ったんだろうなぁ!
自信を持って言えます「Yes!」と。
すべての人(モノ)に優しい防湿ケースです
作ったのはこんな感じのものです。
この防湿ケースの特徴は以下の3つです。
- フィラメントだけで組み立てられる
- 印刷するパーツは10個だけ
- 穴をあける箇所は3つだけ(フィラメントの出口に1つ、軸受けに2つ)
全部上で言った通りのものになっています。
3Dデータ
リンクより3Dデータをダウンロードして、以下のように配置して印刷してください。
※PTFEチューブのキャップ「drybox-cap.stl」はTPUで印刷してください。
用意するもの
パーツ類
【2024年9月10日 追記】
残念ながらこの密封容器は販売終了しました。しかし、後継品が出ていますのでこちらの記事をご覧ください。
※最寄りのダイソーで購入ください。1個300円です。
※強力な両面テープであればなんでも構いません。
※余っているものがあればそれを使ってください。
※100均でいいのがあればそれでも構いません。
※ベアリングタイプで作成したい方(TPUをよく使う)は購入してください。
工具類
加工に必要な工具は以下の2点だけです。
DIYをする人は絶対持っている工具 No.1がインパクトドライバーです。
(他のバッテリー電動工具を購入する場合はメーカーと電圧は揃えたほうが良いです。)
とくにこだわりは無かったので私はパワーがあって安いこれにしました。
わたしは今回このケースを作るためだけに購入したわけではなく、木工のDIYもたまにやるので購入してから5年位愛用しています。
いずれにしろ、あると何かと便利なので買って損はないかと思います。
そして、もう一つ必要な工具がステップドリルです。
DIYをする方にはおすすめの一品です。
ステップドリルは、薄い板状のものに色んな大きさの穴を開けるのに1つで済むので便利です。
私は色んな素材に穴を開けることが多いのでステンレス用を購入していますが、プラスチックでしか使わないのであれば安いものでも構いません。
組み立て(所要時間:3分)
組み立てはとても簡単です。
ケースのフタと底の中心にそれぞれ12mmの穴をあけます。
ちょうど真ん中にポッチがあるので、そこにめがけて穴をあけるだけです。簡単でしょ?
穴のあいたフタと底にそれぞれ異なるサイズの軸受のボルトを取り付けます。
ケースの内側にナット、外側がボルトで挟み込むように取り付けます。
このボルトはネジ部分の径は同じですが、軸に差し込む部分の径が異なっています。
理由はフタ側は開け閉めがあるので、径が小さい方が軸の抜き差しがスムーズになるからです。
次はフィラメントの差し込み口と温湿計ホルダーの位置を決めて、穴を開けて取り付けます。
ケースに軸とフィラメントのリールを設置します。
温湿計ホルダーとリールが干渉しない場所を確認して、10mmの穴をあけます。
ケースの内側から差し込み口用のボルトを温湿計ホルダーを通して、外からナットを締めます。
ケースの壁は傾斜があるので、軸が水平になるように足をつけましょう。
三角マークのある方が少し高くなっています。感覚で水平になるように取り付けます。
フィラメント差し込み口にPTFEチューブとキャップを取り付けます。
キャップは少し工夫をしていて、キャップをかぶせても外したときにフィラメントは少し飛び出るようにしています。
再度使うときにフィラメントが引き出しやすようにしています。
ここまでお疲れさまでした。これで完成です!
最後に
いかがだったでしょうか?
今回は、キユーピー3分クッキングさながらに気軽に防湿ケースを作ってみました。意外とカンタンだったでしょ?
これなら3Dプリンター初心者の方でも気軽に防湿対策ができるんじゃないでしょうか。
ちなみに今回のケースを作る前に他に防湿ケースを作りましたが、洗練されていなかったのでボツにしました。
もったいない気もしますが、そのおかげで今回のケースが生まれたのだから、何事も無駄ではないということですね♪
3Dプリンターは忍耐力を鍛えるうえで非常に良い教材です。常にトライ(アル)アンドエラーです。
考えを形にする → 印刷されるまで待つ → 失敗したら最初に戻る(何回か繰り返す)→ 思った通りのものができる
子どもの情操教育にもいいんじゃないですかね。では!
今回の記事を読んで 3Dプリンターをやってみたいと思ったあなた。思い切って一歩を踏み出してみませんか?
私のブログのコンセプトは「気になったことは、とりあえずやってみよう!」です。
踏み出したその先にあなたの求めているものがあるかもしれませんよ♪
コメント
コメント一覧 (15件)
こんにちは。
私も最近Aquilaを購入して、こちらの記事を大変参考にさせていただいております。
この度私もフィラメントケースの作成を考えているところです。
一点気になったのですが、今回の新バージョンを作成される前に旧バージョンのフィラメントケースも
作成されているようですが、こちらは何故没になったのでしょうか?
機能的に新バージョンと比べて何か問題があったということでしょうか?
それとも作成するのに部品点数が多く、手間がかかるためということでしょうか?
コメントありがとうございます。
旧バージョンをボツにした理由ですが、シンプルさが足りないと感じたからです。
(機能的には新も旧も変わりないです。)
私が使う分には旧でもいいんですが、せっかくブログで公開するのであれば、
初心者の方にもなるべく簡単で、かつ一回で印刷できるようにしたいと思ったからです。
強いて違いをいえば、新の方がスペースがあるのでフィラメントの交換がスムーズかなと。
以上が理由になります。
なので、もしそばさんが作るのであればお好みの方を使っていただければと思います。
余談ですが、なぜかダウンロードされている数は旧バージョンが圧倒的に多いですw
返信いただきありがとうございます。
とても参考になりました。
部品点数をなるべく減らして短時間で作れ、かつ機能性を維持したということなのですね。
ご丁寧に対応いただきありがとうございます。
こんにちは、私はanycubeのmega-sという機種の3Dプリンターを使用していますが、フィラメントケースからの送りチューブと本体の接続を教えていただきたいです。
コメントありがとうございます。
特に何か改造して接続する必要はなく、チューブから出てきたフィラメントを普段通りに通していただければと思います。
ただMega-sの場合、フィラメントセンサーが柱の下側にあるのでフィラメントケースを作成する場合にはフィラメントの出口を下側にした方が使い勝手が良いと思います。
返答ありがとうございます!ぜひ参考にさせていただきます。
こちらのフィラメントケースは一回吸湿してしまったものでも復活するでしょうか?
また、一回吸湿してしまったフィラメントはどのように復活させるといいでしょうか?
残念ながら、基本的に自作のフィラメントケースは、すでに湿気と結びついたフィラメントの復活には効果がありません。
なので、フィラメントを復活させたいのであれば、こちらのサイトが参考になるかと思います。
「湿気てポキポキ折れるフィラメントを乾燥させて復活させる方法」
私は、吸湿したフィラメントは割り切って試作品を作る際に使用しています。
(本当に造形がひどい場合は捨てます。)
3Dプリントは一発でうまくいくことは稀なので、仕上げのときに状態の良いフィラメントを使用しています。
はじめまして。
さっそく1つ作りましたがめっちゃシンプルで機能性も抜群。
この防湿ケースを使いつつ、このあと続けて3つ作る予定です。
ありがとうございました!
コメントありがとうございます!
喜んでもらえて嬉しいです。
こんばんわ。
キャップの購入リンクがないようなのですが、どのように検索すれば出てきますでしょうか?
ダウンロードしたZIPファイルを展開していただくと、キャップファイル(drybox-cap.stl)も含まれているのでご確認ください。
こんにちは
記事を参考にドライボックスを作成しました!
ですが、造形時にドライボックスがうごいています。
何か対策等はしていますでしょうか?
よろしければ、ご教示ください。
よろしくお願いします。
返事が遅くなってすみません。
すでに解決済みかもしれませんが、私はとくに対策は行なっておりません。
でももし対策するならば、100円ショップで売っている滑り止めシートを敷くか両面テープを底に貼るかなと思います。
こちらの記事にて防湿ケースを作りました。
記事内の密封容器が手配できなかったので、代わりに以下リンクのケースで作れました。
https://jp.daisonet.com/products/4550480354385?_pos=1&_sid=25dd115b6&_ss=r&s=09
フタに取っ手があり容器とフタの距離が狭くなっているので、シャフトを100mm→93mmに変更してます。
https://x.com/SourceK_mnst/status/1827976660974805086?t=9KcTokHBo-qRvNwUh45q5Q&s=19
最後に、モデルデータの公開ありがとうございましたm(_ _)m
コメントありがとうございます。
あの容器が無くなってから、次の候補を探していたところに今回のコメントは渡りに舟でした。
次に使えそうな容器を教えていただきありがとうございます。
私も実際に教えていただいた容器で改良型を作って記事にしたいと思います。